みなさんは、「エバンジェリスト」という言葉を知っていますか?

エバンジェリスト(Evangelist)・・・もともとはキリスト教の「伝道者」という意味。最近では、特にIT業界を中心に自社の製品・サービスなどの魅力や価値を正しく、分かりやすく伝える役割を担う人々のことを指す場合が多い。

そんな「エバンジェリスト」という役割、僕自身もある人の存在を知るまでは詳しく知りませんでした。「名前はカッコいいけど、実際何やってる人?エバンゲリオンの仲間かなにか?」と、今考えてみたら何とも失礼な考えをしていましたね。すみません。

11381411_657954950972471_1504449467_nそんな僕が「エバンジェリスト」という役割を知り、興味を持つきっかけになったのが、日本マイクロソフトで、業務執行役員・エバンジェリストとして活躍されているほかに、個人としても精力的に講演や執筆活動をされている西脇資哲さん(@waki)でした。たしか、最初に西脇さんを知ったのは、あるパネルディスカッションで西脇さんがパネラーとして参加されていた時だったと記憶しています。(あ、写真はその時とは全然関係ないです。。)

そのパネルディスカッションには、西脇さん以外に2名のパネラーとモデレーターの方が1名いらっしゃいました。テーマとしてはクラウドとかスマホに関してだったと思いますが、その中での西脇さんの発する言葉、動き、周囲とのコミュニケーションの取り方は、私にとって大きな衝撃だったんですね。

一言で言ってしまうと「磁石のように惹き付けられる」というのですかね。ディスカッションのテーマにも、個人的に興味があって参加したわけですが、そんなことはどうでもよくなるくらいに西脇さんの姿に釘付けになったわけです、「うわぁ、この人すげぇな、めちゃくちゃかっこいいな」と。

何がすごいのかはその時はよくわからなかったんですが、感覚的には「一目惚れ」に近い感じですね。理由はうまく表現できないけど、好きになってしまった。もちろん、西脇さんに対するそうした感情は恋愛感情ではなかったですが(笑)

というわけで、そんな体験が僕が「エバンジェリスト」という役割、「西脇資哲というエバンジェリスト」に強い興味を抱くようになったきっかけだったんですね。 

さて、ひとたび興味を持つと、どんどんと知りたくなってくるのが人間の性というものです。それから、まずはネットで「エバンジェリスト」とか「西脇資哲」とか「伝道者」とか関連するワードをあれこれ検索してみました。いわゆる「ググる」ってやつです。

そうしていると、「エバンジェリスト」という役割は西脇さん以外にもいろいろな人が担っていること、まだまだ世の中で認知され始めてからの日が浅いこと、その役割には確固たる定義はないことなどがいろいろ分かってきたわけです。そして、その概念は自分がやりたいことや思っていることにリンクする部分がとても多かったことも、さらに興味を広げる要因でした。

ネットで一通り調べた後は、きっかけをくれた西脇さんの書籍を読んでみることにしました。その中で、僕がバイブル的に読んでいる2冊を紹介しますね。(多くの人に読んでもらいたいので、内容についてはあえて具体的には書きません)


① 「新エバンジェリスト養成講座 - Tips for Presentation」

この書籍は、西脇さんがセミナー形式で定期的に開催している「エバンジェリスト養成講座」の内容をまとめたもので、2011年に出版された「エバンジェリスト養成講座 究極のプレゼンハック100」という書籍の新バージョンという位置づけですね。内容としては、実用書に近く、プレゼンテーションとは何たるかの解説から、素晴らしいプレゼンテーションを創り出すために必要な心構えやテクニック、コミュニケーションの取り方やスライドの作り方、魅力ある話し方など実戦で役に立つメソッドが詰め込まれています。プレゼンやデモを行う機会があまりない人でも、自分自身の魅せ方や日常生活でのちょっとした意思疎通など、活かせることはとても多いと思います。
 
新エバンジェリスト養成講座
西脇資哲
翔泳社
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② エバンジェリストの仕事術

一方でこちらの書籍は、実用書というよりは、「エバンジェリスト 西脇資哲」の経歴書のような意味合いが強いような気がします。西脇さんがエバンジェリストと呼ばれるようになるまでの足跡、自身の意識の変化、直面した時代変化や、これまで就いた仕事を通じて成長していく様などが描かれています。もちろん、この書籍の中にもエバンジェリストとしての心構えやテクニック、エバンジェリストとしてどうあるべきか?などの実践的な内容も含まれていますが、「新エバンジェリスト養成講座」よりも、西脇さんという一人の人間を知ることのできるいい内容ですね。そして、魅力的で華やかなプレゼンやデモの裏側には、いつも圧倒的な努力と情熱、誰よりも強い "思い" が隠れていることもひしひしと伝わってきました。人がこれまで歩んできた生き方などを知るのが大好きな僕にとっては非常に興味深い内容だった上に、読んですぐに実際のお仕事に活きたことが実感できる出来事があったので、すごく感動したのを覚えています。

エバンジェリストの仕事術 自分の価値を高め、市場で勝ち抜く
西脇 資哲
日本実業出版社
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本当にこの2冊はいろいろな人におすすめしたい書籍なんですよね。書店に行くと、決まって「ビジネス」とか「IT」関連の棚に置いてはあるのですが、それに関わりのない人が読んでも学べることは沢山あると思っています。もちろん、西脇さんご本人がどこまでの人々に訴求したいかまではわかりませんが…

そして、この2冊。著者はもちろん同じなのですが、僕の中で共通していると感じる点があるんですよね。

「新エバンジェリスト養成講座」の中にこんな一節があります。
プレゼンテーションの目的は話すことでもなければ、作った資料を見せることでもなければ、伝えることでもありません。相手を動かすことなのです。 
極論を言えば、どんなに美しい資料を作り、華麗にストーリーを展開し、拍手喝采を浴びたところで、最終的にその相手が「動いて」くれないとプレゼンとしての価値はないということですね。

ただ、この西脇さんの言葉にはこういう意味も隠れているのだろうと個人的には思っています。 それは、「資料を作り、ストーリーを綿密に練るという最高の努力をした上で、プレゼンに臨んで話をする。その結果として相手に伝わり、相手を動かす原動力になる」ということです。要するに、話すことや資料を見せること、伝えることはプレゼンの目的ではないけれど、それ無くして相手は動かせないということなのだろうと。結局は、どれかを疎かにしてはいいプレゼンは生み出せないということですね。

言うなれば、この「伝えて、動かす」というのが西脇さんの書籍には共通の思いとして宿っているような気がしています。

そうやって思い返してみると、過去の僕自身が西脇さんから受けた衝撃というのは、西脇さんが「伝えて、動かす」ということを大切にしていたからこそなのだと、今になって強く感じています。大袈裟に言うと、そのエネルギーみたいなものが、波動砲のように僕の心には響いたということですね(笑)

僕自身、これまでにもプレゼンや講師などの活動をしてきましたが、その中で強く意識していたのは「伝える」ということでした。製品やサービスの機能などを説明するのではなく、「それを使うことによって、こんな仕事ができますよ」とか「今これしておくと、こんな風になれるよ」いった形で、相手に想像を膨らませてもらう。そして、ポジティブな気持ちで、接してもらえるようにする。その中で「伝える」ということは重要だったんですね。

でも、エバンジェリストを知り、西脇さんのことを知り、"本当のプレゼン" を知ったことによって、「動かす」という新たな目的を見つけることができたのは、僕自身にとってもすごく大きな出来事でした。きっと、「動かす」のは、時に身体だったり、心だったり、お金だったり、人だったりするのだろうとは思っていますが、何かが動くということは、自分のやったことに対する確かな手応えになりますからね。そういう思いを持てたということは、西脇さんは僕の心を確かに動かしたということなんですね。

というわけで・・・

「エバンジェリスト」について書くつもりが、後半は西脇さん論のようになってしまいましたが(笑)、きっと多くの人たちにとって、仕事する上でも、生きる上でも糧になるヒントが詰まっていると思います。

そして、個人的にはいつか「エバンジェリスト」と名乗れるような人間になるという新しい目標もできました。がんばります。 


― ここからは、お知らせ?です。

西脇さんと乃木坂46の若月佑美さんがパーソナリティを務める「エバンジェリストスクール!」というラジオ番組が毎週土曜日 24:30~25:00にTOKYO FMで放送されています。ちなみに、番組の面白さは以前に僕のブログにも書いてみました(過去記事:エバンジェリストスクール!がおもしろい! 

この番組では、若月さんとの掛け合いを通じて、西脇さんが最新のITトレンドやプレゼンスキルなどを非常に分かりやすく解説してくれています。非常にタメになるラジオですので、ぜひ聴いてみてください。

また、放送中には番組公式ツイッター(@waki_evatfm)で西脇さんがリアルタイム解説をしてくれます。こちらを見ながらラジオを聴くと、2倍、3倍と楽しめますよ~。