少し前のHIKAKIN TVにこんな動画が上がっていました。



動画を見てもらえればわかるんですが、今や日本を代表するYouTuberであるヒカキンさんが故郷の新潟から上京してきた当時のことを振り返っています。いつも以上にまじめな内容の動画なんですね、うん。

貯金ゼロ、お年玉か何かでもらった2万円を握りしめて上京、東京のスーパーに就職して社員寮に住んだので住む場所にはとりあえず困らなかったけど、節約しまくってスーパーで値引きされた食パンにココアの粉を振りかけて食べていたなんてエピソードが語られています。ビートボックスをやるために上手い人たちの多い東京にとりあえず来てみたけど、今となっては「上京して本当によかったなと思っている」と言っています。

それで、彼自身の意見として「少しでも上京したいっていう気持ちがあるんなら、ぜひ上京してほしいな」とメッセージを送っています。

さて、この動画を見ていていろいろと考えていたんですが、今日は僕の考えも込めて少し語ってみようと思います。

まず、僕の場合、幸か不幸か「上京する」という関門はありませんでした。というのも、家庭が転勤族だったので、小学校3年生の時には生まれ故郷の広島を離れ、横浜に住むことになったんですね。

薄らいでいる記憶を掘り起こしてみると、まずこの転勤はすごく嫌いだった記憶があります。当然ですよね、小学校の低学年と言えば、自分の将来がどうこうとか、社会はこんな風になっているんだ、なんてことを理解できるような歳でもなく、単純に住み慣れた家、毎日のように遊んでいた友達、学校の先生…いろんなものから引き離されるのがすごく寂しかったんだと思います。

なので、父親の会社を恨んでましたね(笑)妹なんかは「転勤を指示した社長死んでほしい」とか泣きわめいていました。社長が直接指示しているわけでもないのに。。まぁ、子どもってそんなもんです。

そんなことが僕の上京デビューでした。それから、名古屋に転勤して、また広島に戻り、再び横浜へと小中学校の間でなんどか引っ越しをしましたが、最終的に落ち着いたのが横浜でした。なので、中学1年の夏以降はずっと横浜暮らしでした。

「住めば都」という言葉もありますが、人間には「慣れる」という能力が備わっているんですね。最初は友達と離れてさみしいなとか、新しい友達できるのかなという不安とかいろいろあったんですが、時間が経てばどんどん自分の置かれた環境に慣れていくんですよね。今では、横浜の方が友人は多いです。やっぱり、中学・高校・大学を過ごした場所の人生においてのウェイトって結構デカいような気がしています。

でも、横浜に住んだことで、故郷の広島がますます好きになったというのはあります。やっぱり、広島には祖父母も住んでいるし、自分が生まれ育ったという懐かしさとか親しみもあるし、夏休みとかには帰省するというちょっとした旅行気分を味わえる場所だし、というので自分にとって「楽しい」場所だったんだろうなと。まぁ、捻くれた性格しているというのもあるのかも。

で、今はいろいろあって広島に戻ってきていますが、自分の考え方とか今までの経験とかを少ないながらも持ち始めた今、改めて2つの環境を見るとやっぱりいろいろ気付くんですね。 

横浜に住んでいたころの僕の考え方は非常に極端でこんな感じでした。

【広島】
日本一、いや世界一素晴らしい場所だ!広島が首都になればいいんだ。カープは正義だ!世界遺産だって2つもあるんだぞ!

【東京】
どこいっても人が多いな…広島みたいに街並みは綺麗じゃないし、ゴミゴミしてるし。何が良くてこんなとこに住んでいるのか意味が分からない。

はい、広島大正義みたいな人間でした(笑) というよりも、自分の経験として比較対象があるので、常に広島と比較して、広島のいいところばっかり見ていたという感じですね。関東にいようがおかまいなく広島弁でしゃべってみたり、大学の論文にも広島を絡めてみたり。愛郷心だけでいえば、県知事ぐらいにはなれていたな。

でも、もちろん今では考え方もすっかり変わりました。動画の中でヒカキンさんも言っていましたが、東京には東京の良さ、田舎には田舎の良さがあるということを平等な目線で見られるようになってきたと思っています。

やっぱり、年齢的に大人になって改めて広島を見てみると、いいことばかりではないし、明らかに東京の方が進んでいるなぁと思うこともあれば、反対にこういうやり方は東京にはないなと感心してみたり。反対に、年に何度か東京に帰ったときには、やっぱり広島にはない刺激をたくさん受けることもできるわけです。だから、今ではこっちの環境がいい、あっちは悪いみたいな極端な考え方はなくなってきました。もちろん、その時々で自分にはどこが合うかみたいなことを考えることはありますけどね。それは、自分の人生を歩むうえでも大事なことなんじゃないかなと。

今となっては、若いうちから東京に触れる環境にいられたというのは本当によかったと思っています。生まれてからずっと広島で育っていたら今とは違う人生を歩んでいただろうし、広島のいいところも悪いところも客観的にみることは難しかっただろうなと思いますね。併せて、日本の中心が東京だといわれる理由もなんとなく身体で感じることができましたし、今では大好きな場所です。

まとめると、東京に行ったことのない人は、生活をするとかいうレベルの話ではなく、一度でいいので東京に行ってみてほしい。丸一日東京の街を目的もなく歩いてみるだけでも、数えきれないくらいの刺激や発見があるはずです。

それとは反対に、ずっと東京で暮らしている人は一度東京とは違う場所に行ってみてほしいんです。隣の県に行くだけでもいろんな違いが見つかると思いますが、できればもう少し遠くの地域を見てみるといいかなと思っています。

そうしていろんな場所を見て知って、自分が気に入る場所、肌に合いそうな場所があれば、住んでみるのもいいし、住まないにしてもそういうところで得た気付きとかは絶対に自分の糧になるはずですからね。僕自身も今ではそれがいろんな場面で判断材料として活用できたり、物事を客観視するのに役立っています。そんなに偉そうなこといえる人間ではないですが。。。

というわけで、いろんな場所を知るのはすごく人生が豊かになるかもしれないよというお話でした。